2004年度 観戦記

月日 曜日 キックオフ   対戦カード グラウンド
5月27日 17:00 スーパーパワーズカップ2004 1回戦 アメリカ代表 20-23 カナダ代表 国立霞ヶ丘競技場
19:00 日本代表 29-12 ロシア代表
10月11日 14:00 関東大学 対抗戦A 帝京大学 27-37 慶應義塾大学 秩父宮ラグビー場
11月3日 水祝 14:00 関東大学 対抗戦A 明治大学 33-54 慶應義塾大学 秩父宮ラグビー場
12月26日 12:00 第41回 全国大学選手権大会 2回戦 法政大学 38- 7 明治大学 秩父宮ラグビー場
14:00 大東文化大学 12-48 早稲田大学
1月2日 12:15 第41回 全国大学選手権大会 準決勝 法政大学 21-24 関東学院大学 国立霞ヶ丘競技場
14:00 同志社大学 17-45 早稲田大学
1月9日 14:00 第41回 全国大学選手権大会 決勝 関東学院大学 19-31 早稲田大学 国立霞ヶ丘競技場
1月30日 14:00 マイクロソフトカップ 準決勝 東芝府中ブレイブルーパス 41- 0 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 秩父宮ラグビー場
2月5日 12:00 第42回 日本選手権大会 1回戦 福岡サニックスボムズ 47-36 関東学院大学 秩父宮ラグビー場
14:00 早稲田大学 59- 5 タマリバクラブ
2月6日 14:00 マイクロソフトカップ 決勝 東芝府中ブレイブルーパス 20- 6 ヤマハ発動機(愛称: ジュビロ) 秩父宮ラグビー場
2月12日 12:00 第42回 日本選手権大会 2回戦 福岡サニックスボムズ 21-55 NECグリーンロケッツ 秩父宮ラグビー場
14:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 28- 9 早稲田大学



2004年5月27日 国立霞ヶ丘競技場
TOSHIBAスーパーパワーズカップ2004 1回戦
アメリカ代表 VS カナダ代表(20-23)


正直今一な試合だった.お互いにミスが多いし,あまりボールが動かない. アメリカは特にパワーにものを言わせてFWを縦にいれるのみ.BKに回してもSO の横でFWがもらいクラッシュ.たまに回してもWTBまで奇麗に回らない.比較 的カナダの方がボールが動いていたのではないだろうか.でも結局CTB附近で FWをいれてポイントといった展開が多かった.ミスが少なければもう少し見ご たえのあった試合だとは思うのだが....
2004年5月27日 国立霞ヶ丘競技場
TOSHIBAスーパーパワーズカップ2004 1回戦
日本代表 VS ロシア代表(29-12)


しばらくぶりのJAPANの勝利.素直に喜びたいところだが内容は今一.とにか くノックオン等のミスが多過ぎた.パスを取ればトライという場面で2〜3回は あったのではないだろうか?今回のロシア相手ならば50点くらい取っていても 不思議ではない.よかった点といえばゴール前のディフェンス.よくあれだけ 耐えられたと思う.ただ,ペナルティも多くよく認定トライにならなかったも のだという感じもするが....とにかくJAPANはノックオン,パスミス等々の単 純ミスをなくすこと.これが最優先課題ではないだろうか.
2004年10月11日 秩父宮ラグビー場
関東大学 対抗戦A
帝京大学 VS 慶應義塾大学(27-37)


戦前の予想では帝京大有利であった.前半の始めは前評判どおり強力FWを擁す る帝京大のペース,慶大もタックルミスなので2トライをゆるす.しかし徐々 にペースは慶大の方になりトライを奪う.終了間際にももう1トライを加えリー ドして前半を終了.後半は先に慶大がPGで先制し,その後帝京大反撃.ゴール 前アウトからモールを押し込んであっさりトライ.このまま帝京大ペースにな るかと思いきやなかなか波にのれない.結局BKの力で上回った慶大がこの勝利 をものにした.慶大の1年生SOはアタックがなかなかいい.個人技でよくライ ンの裏にでていてチャンスをしばししば作った.帝京大は強力なFWがあるので それをもっと行かせるように攻撃を修正していく必要があるのではないだろう か.
2004年11月3日 秩父宮ラグビー場
関東大学 対抗戦A
明治大学 VS 慶應義塾大学(33-54)


前半開始早々に明大が縦々と行きトライ.その後は慶応の一方的な流れに.な んといってもアタックのテンポが良い.パスのつなぎ,球出しの速さ,フォロー のコースの良さそれになんといっても一年生SO山田の能力は抜群.ゴール前に 行けば確実にトライへ結びつける.前半の中盤あたりから明大の流れにしかし た闇雲に縦に行くだけ個人個人のパワーがあるのでなんとかトライまで結びつ けるもの,テンポの遅さアタックのバリエーションの無さで決定力が無い.慶 大がゴール前で確実にトライに結びつけるのに対し,ゴール前まで行くがなか なか結果につながらない.後半に入り慶大がポイントからラインのど真ん中を 抜かれトライ.これで一方的になるかと思ったが明大も食いざがる明大は一時 5点差まで追いつき,その後慶大WTBのシンビンなど一気に明大の流れになるか と思ったがその流れを生かせず突き放されてしまった.慶大はなんといっても 一年生SO山田の能力が抜群.それにアタックのテンポが良い.これから早大戦, 選手権とDFを整備していけばかなり良い結果が期待できるのではないだろうか. 明大に関しては個々のパワーの強さはなかなかのものだと思う.往年の明大ま では行かないものアタックのバリエーションを増やし,DFを整備つまりタック ルの高さを修正していけば十分選手権でも良い結果がだせるのではないだろう か.シーズンはこれから.両チームのよりいっそうの成長に期待ができる試合 だったのではないだろうか.
2004年12月26日 秩父宮ラグビー場
第41回 全国大学選手権大会 2回戦
法政大学 VS 明治大学(38-7)


結果としては予想通り.とにかく法大のDFがよかった.ゴール前も確実にとめ ていたし,前に出るディフェンスで明大にほとんどゲインラインを抜かせなかっ た.アタックに関してもボールをもらう瞬間のスピードが抜群.ポイントから の球だしも小人数で,しかも早い.さすがと言ったところ.一方,明大はアタッ クの際にボールもらう瞬間スピードがない.ポイントも人数がかかりすぎでワ ンテンポ遅い.またFWが走れていないのでアタックを続けてボールを支配して もどんどん人数が減って行く.しょうがなくキックか,ターンオーバーされる といった感じ.あとなんと言ってもラインアウトが悪過ぎた,セットがあれだ け不安定だとどうしようもない.法大は1/2の準決勝にで関東学大と対戦する ことになるが,このまま調子で行けば決勝進出も夢ではないと思う.
2004年12月26日 秩父宮ラグビー場
第41回 全国大学選手権大会 2回戦
大東文化大学 VS 早稲田大学(12-48)


結果的に予想どおり.後半の最後10分ほどまで大東大も頑張った.最後には自 力に優る早大が突き放した形だが,大東大もなかなかよかったと思う.ちょっ と留学生2人にボールを集め過ぎなので,もうちょっと他に散らしてもよかっ たのではないか.そうすることで早大DFの注意を留学生2人から引き離せるこ とができて,効果的に彼らを使えるのではないか.その点を修していけば来 季は大化けする可能性もあると思う.一方早大は前半は良かったが後半に入っ て失速,思い通りに行かない展開にちょっとあせりも見えていたと思う.でも さすがは早大.最後は連続トライで突き放した.また,気になるのがゴールキッ ク.9トライ中2本しか入らなかった.難しいもあったのも事実だかがここに来 ての不調はちょっと懸念材料.準決勝,決勝をゴールキックの2点が重要になっ てくるのでそれまでに調子を戻したいところ.ただキッカーにもともと実力が あるだけに単にこの試合だけの不調だとも思えるが.対する同大は正直ちょっ といまいちなので,次の準決勝は順当に勝ちがあがるだろう.
2005年1月2日 国立霞ヶ丘競技場
第41回 全国大学選手権大会 準決勝
法政大学 VS 関東学院大学(21-24)


結果的にはさすが王者,関東学大.選手権ではきっちり仕上げてくるのはさす が.法大もすごくよかったのがやはり自滅(ミス)が多すぎた.特にラインアウ トをもう少しとっていれば...勝負事に"たられば"はありえないのだが.個人 的には実力は法大が強かったと思っているだけに法大には残念な試合だったの ではにだろうか.一方関東学大にとってはしてやったりといったところだろろ う.この試合は関東学大の試合巧者ぶりに拍手を贈りたい.決勝もすばらしい パフォーマンスを期待する.
2005年1月2日 国立霞ヶ丘競技場
第41回 全国大学選手権大会 準決勝
同志社大学 VS 早稲田大学(17-45)


今年の早大は強すぎた.同大もがんばったのだがいかんせん自力が違った.個々 の能力に関してはそれ程実力差があるとは思えないが基本的なプレー,例えば ボールをもらう瞬間のスピード,FWの集散能力.またチームとしての意識の差, 例えば同大はFWで突進したいのか,BKにまわしたいのかの意思外通ができてな い.個々に能力があるだけに関西勢の最後の砦の同大にはがんばってほしいと 思う.残念ながら他のチームがもう少し強くなってくれれば関西勢も切磋琢磨 して強くなっていくだろうだが....一方早大はさすがさすがといった感じ. このまま順当に行けば関東学大へのリベンジもほぼ確実だろう.
2005年1月9日 国立霞ヶ丘競技場
第41回 全国大学選手権大会 決勝
関東学院大学 VS 早稲田大学(19-31)


前評判とおり早大の勝利に終におわった.早大は前半ミスが多く思ったように 攻められなかったがそれでもトライを2本先取する.しかし,前半の最後の方 に関東ゴール前からパスをインターセプトされトライを奪われる.前半は風上 だったのでもう少しとって起きた言うところだったのが.後半に入り先制した のは関東学大.早大ゴール前でタッチにけりだそうとしたところをチャージで されてそままトライ.逆転されて嫌な雰囲気になりかけたが,ここからから早 大が連続トライで勝負を決める.前半はあまりめだたなかったFWも後半になり 動きが良くなってきた.BKでもSO安藤が自身で積極的に仕掛けて再三ラインの うらに出ていた.関東学大も終了間際になんとか意地を見せる.しかしこの際 のCTB有賀のプレーがちょっと気になった.早大に反則がありレフリーがアド バンテージを取っていた.関東学大としては反則のあった位置からPKで速攻を 仕掛けたかったようで,意図的にノックオンをした.確かに気持ちはわかるの だがこの手のプレーはいかがなものか?点取り競技という観点から考えれば有 効なプレーを選択したので問題ないように思われるのだが,ラグビーという観 点からはこのようなプレーは正直頭をひねってしまう.このプレーに関しては 賛否両論があると思うが,このプレーがスタンダードなり方々でみられるよう にるとちょっと寂しい気がする.まぁそれはさておき今回,関東学大も主将が レギュラー入りできす,2,3年生主体でチームを作っていてここまできたのは たいしたものだと思う.また早大は前評判のプレッシャーを跳ねのけ見事に優 勝したのはたいしたものであると思う.両チームとも日本選手権では社会人に ぜひとも一泡ふかせて欲しいものである. このまま順当に行けば関東学大へのリベンジもほぼ確実だろう.
2005年1月30日 秩父宮ラグビー場
マイクロソフトカップ 準決勝
東芝府中ブレイブルーパス VS 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(41-0)


予想外の大差となった.接点のプレーで東芝が少人数で早く球出しできるのに 対し,神戸は人数が多くかかる上に遅い.なので攻めても神戸は人が余らずミ スかターンオーバーとなりとにかく攻め手がなかった.ディフェンスでもBKラ インで一発で間を抜かれるぷれーもめだった.とにかく1回戦のよさはどこに いったといった感じ.逆に東芝はさすがといった感じ.立ってプレーすること を意識が徹底されていてとにかく倒れないでつなぐつなぐ.この勢いだと3冠 も目の前ではないだろうか.
2005年2月5日 秩父宮ラグビー場
第42回 日本選手権大会 1回戦
福岡サニックスボムズ VS 関東学院大学(47-36)


下部リーグとはいえ実力的にはさすがに社会人のサニックスが上だった.内容 は大味なものでつめがあまくトライをとりきれない.一方,関東学大はよく走っ ておりかなり健闘したのではないだろうか?一時期は10点をリードしていたが さすがにパワープレーに持ち込まれると社会人に一日の長があるのでこらえ切 れずにゴールを割ってしまったが関東学大の健闘がめだった試合だと思う.学 生には不利な日程だけに学生がベストパフォーマンスをだせる時期ならば十分 勝てる可能性のある試合だったのではないだろうか?ここ数年ずっと思ってい たが日本選手権のあり方を根本的に考え直す必要があるのではないだろうか? サニックスに関しては次のNEC戦に関しては来期のトップリーグに向けて一つ 一つのプレーの制度をあげる必要があるのではないだろうか.
2005年2月5日 秩父宮ラグビー場
第42回 日本選手権大会 1回戦
早稲田大学 VS タマリバクラブ(59-5)


先制したのはタマリバ.意外な展開だった.その後早大の攻めきれない時間が 続く.結局は大差になったが大学選手権までの早大のパフォーマンスを考える と今一な内容だったのでは?正直100点はいってもいいぐらいの実力差だった と思う.ただ,開催時期及びモチベーションを考慮するとなかなか早大にベス トパフォーマンスを出せというのも難しいものがあるのも事実だ.次のトヨタ 戦に照準を会わせていると思うので次戦は楽しみにしている.一方,タマリバ は健闘だったのではないだろうか?クラブチームの日本選手権の参加にはいろ いろ意見はあると思うがとりあえずすべてのチームに門戸があるのが重要だと 思う.ただ先に書いたとおりあまりに実力差のある試合をマッチメークするの もどうだろうか?やはり日本選手権の根本的な見直しが必要なのではないだろ うか.
2005年2月6日 秩父宮ラグビー場
マイクロソフトカップ 決勝
東芝府中ブレイブルーパス VS ヤマハ発動機(愛称: ジュビロ)(20-6)


やはり東芝は強かった.前半は東芝がせめてヤマハが守るという展開で,ヤマ ハもDFもよく守っていたが東芝のアタックをとめきれず2トライを許す.しか し前半に1PGを返し後半に望みをつなぐ.後半に入りヤマハも再三東芝陣内に 攻め込むが攻めきれず,東芝のとどめのトライを決められ万事休す.次の日本 選手権ではヤマハはアタックの精度を上げれば十分優勝の可能性もあると思う. しかし東芝は本当に強い.順当に行けば日本選手権も連覇して3冠達成は硬い だろう.
2005年2月12日 秩父宮ラグビー場
第42回 日本選手権大会 2回戦
福岡サニックスボムズ VS NECグリーンロケッツ(21-55)


NECが一枚も二枚も上手だった.サニックスは球出しに人数と時間をかけすぎ ていてなかなか思ったとおりの展開ができない.また,攻めて攻めても最後の 詰めがあまくミスやターンオーバーで終わる.一方NECは少人数でテンポよく 展開ができチャンスを確実に得点に結びつけた.t来期トップリーグに復帰す るサニックスはいい経験になったのではないだろうか.NECには次の準決勝で いい試合をしてくれることを期待する.
2005年2月12日 秩父宮ラグビー場
第42回 日本選手権大会 2回戦
トヨタ自動車ヴェルブリッツ VS 早稲田大学(28-9)


意外といったら失礼が早大が頑張った.戦術は明確でキックで敵陣に入りあと はPGとDG狙い.大学選手権決勝までの戦術とはがらりをかえてきた.DFもよく 戦術がぴったりはまった.前半は 6-7の1点差で折り返し,後半開始早々DGを 決め9-7に.一方トヨタはスクラムは圧倒しているのだがそれ以外は完全にな りを潜めた.正直ほとんどいいところがない.ただ後半30分にやっと再逆転し てそこからやっと自力を発揮.残り10分で突き放しなんとか社会人の面目を保っ たところか.この試合は早大の健闘が光った.日本選手権の存在意義が問われ ていた昨今だがこの健闘が一石を投じたのは間違いない.トヨタには次の準決 勝の東芝戦にはもう少しチームを立てない差なければ厳しい状況になるのでは ないだろうか.

試合内容とは直接関係ない話だが,この試合のNHKでの放送だが前日に生放送 が中止され深夜に変更になるという事態がおきた.結局は当日になりさらに急 遽予定を変更して生中継するという2転3転するという異常事態が起こった.こ との発端はレフリーのジャージの中央に印刷された“朝日新聞”の文字.日本 選手権の放送でのNHKとの契約で企業名の過度な露出はさけるという条項があっ たようだ.ただ一律だめというわけではなく,企業名などが露出する際は事前 に協議するというもの.しかし今回の日本選手権に関して朝日新聞とスポンサー 契約を結んで,レフリーのジャージに企業名が印刷されることなどをNHK側に まったく伝えていなかったようだ.完全に日本協会側の失態.ただ今回はNHK へ視聴者から問い合わせが多かったことから本日になりやはり放送に踏み切っ たとのこと.しかし,今日の新聞ありで深夜の放送のつもりでいて見れなかっ た視聴者はどうなるのだろうか?という疑問もわく.ただ今回は日本協会の失 態でNHKも被害者といえば被害者.W杯の招致を申請した日本協会.あまりに単 純なミスに本当に大丈夫なのだろうかと疑問符が大いにつく.昨年の日本代表 の無意味な遠征といい,毎年迷走する日本選手権の仕組み.“外部から経営に 関してのプロ”を入れるということを真剣に健闘しなければ日本のラグビーに 将来はない.