2003年度 観戦記

月日 曜日 キックオフ   対戦カード グラウンド
4月24日 19:00 NZ学生代表 来日シリーズ 日本A代表 14-97 ニュージーランド学生代表 江戸川区陸上競技場
7月4日 19:00 イングランド来日シリーズ 日本代表 10-37 イングランド代表 味の素スタジアム
9月15日 月祝 13:00 ジャパンラグビートップリーグ 東芝府中ブレイブルーパス 78-24 セコムラガッツ 秩父宮ラグビー場
15:00 日英大学ラグビー対抗戦2003 関東学院大学 35-44 ケンブリッジ大学
11月8日 14:00 関東大学 対抗戦A 早稲田大学 64-26 帝京大学 秩父宮ラグビー場
1月25日 14:00 ジャパンラグビートップリーグ サントリーサンゴリアス 10-50 東芝府中ブレイブルーパス 秩父宮ラグビー場
2月8日 14:00 マイクロソフトカップ 1回戦 ヤマハ発動機(愛称: ジュビロ) 10-39 東芝府中ブレイブルーパス 秩父宮ラグビー場
2月21日 12:00 第41回日本選手権大会 3回戦 豊田自動織機 14-50 日本IBM 秩父宮ラグビー場
14:00 釜石シーウェーブス 13-14 関東学院大学
2月22日 14:00 マイクロソフトカップ 決勝 NECグリーンロケッツ 24-19 東芝府中ブレイブルーパス 国立霞ヶ丘競技場
3月7日 12:00 第41回日本選手権大会 準々決勝 NECグリーンロケッツ 34-27 サントリーサンゴリアス 秩父宮ラグビー場
14:00 トヨタ自動車 12-55 東芝府中ブレイブルーパス
3月13日 14:00 第41回日本選手権大会 準決勝 ヤマハ発動機(愛称: ジュビロ) 12-33 東芝府中ブレイブルーパス 秩父宮ラグビー場
3月21日 14:00 第41回日本選手権大会 決勝 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 10-22 東芝府中ブレイブルーパス 秩父宮ラグビー場



2003年4月24日 江戸川区陸上競技場
「ニュージーランド学生代表」来日シリーズ
日本A代表 VS ニュージーランド学生代表(14-97)


NZ学生代表には脱帽でした.なにが違うってやはり一つ一つのプレーのうまさ. 一番感じたのが球離れの絶妙さどんな体制からでも確実にパスを通すし,それを 良い位置でパスがもらえる.しかも,ボールもらうときは常にトップスピードに のってもらう,走る姿勢も前傾で高校の時に教えられるような基本を忠実に守っ ている.それで,本当に気持いいぐらいボールをつなぐ,本当見ていて気持が良 い.あとは個々が強い.身体能力の差を見せつけられた気がする.一方, JAPAN A はディフェンスが今一.ラインの真中をぼこぼこ裏い出られたりした. また,NZUの選手が走り出すと,触ることすらできない状況も多々.実力の差を 見せつけられた気がする.でも,アタックではラインを広くとり,SOから一気に ワイドにWTBまでとばしその外側にもう一人置いておき,後はスピードで抜く. という戦術をとっていたようだ.パスがなかな通らないのと,NZUのプレッシャー で今回はあまり,機能していないように見えた.ただ,JAPANの戦術としてこれ から精度をあげて行けばなかなか面白い戦術ではなかろうか.今後のJAPANに期 待.
2003年7月4日 味の素スタジアム
イングランド来日シリーズ
日本代表 VS イングランド代表(10-37)


一言でいうと日本代表は結構頑張った.”結構”というのは言い意味も悪い意味 も含めて.イングランド代表ははっきりいって強くなかった.バックスに展開し ても全然前にでれない.FWが縦に来たときはさすがという感はあったが.前半は 不通に回し全然抜けない.日本代表がドリフトディフェンスしているので回して も人が余らず抜けない.逆に縦に入ったときなどは身体能力に差かゲインを超え て来る.日本の先誓トライは脱帽.さすが大畑.前半ロスタイムでの逆転トライ は悔やんでもくやみきれないところか.イングランドは前半回しても全然抜けな いので,後半開始からは執拗にFWのモールで押してくる.やはり来たかといった 感じ.たまらず日本代表もゴールラインをわる.しかしそれも後半の前半だけだ けで,それからは相変わらずパッとしない普通の攻撃.日本代表も良く攻め,良 く守っているのだがいまいち.中途半端なキックが目立ち相手バックスりーにずっ ぽし.ちゃんとタッチに蹴るのか,縦に思いっきり蹴るのかどちらかにしなけれ ばいけないと思うのだが.イングランドもだが結局攻め切れずキックに逃れると いった展開が続く.最後の最後日本代表はゴール前で攻め込んだが,痛恨のパス ミスを相手CTBに蹴られ,それを追いかけ拾って独走トライで終了.残念な結果 に正直この程度の相手なら日本代表なら間違い無く勝てる.ただ思ったよりは悪 くなくまだまだW杯まで修正可能.日曜にイングランド戦に期待!
2003年11月8日 秩父宮ラグビー場
関東大学 対抗戦A
早稲田大学 VS 帝京大学(64-26)


これだけ差が開くとは思わなかった.早大の個々のプレーの能力の高さを感じた 試合だったが,前半は初歩的なミスが多くうまく継らない状況だった.後半にな り,帝京大が失速してきたところを面白いようにつなげることができただろう. ただ,やはりミスが目だったのが気になるところ.選手権で上に行けばそこのミ スがつかれたりしてるので,これから細かいミスの修正が必要になってくると思 う.特にパスミス.帝京大は大差はついてしまったがやはり国立を狙えるレベル にいるのではないだろうか?もちろん,これからの修正は必要だ.しかし,後半 途中まであれだけの試合が出来たのだから,さほど絶望的ではないと思う.うま く課題を修正して行けば,対抗戦Aで2位に食い込むことも可能だと思う.しかし, 早大1年のCTB曽我部は良かった.
2004年1月25日 秩父宮ラグビー場
ジャパンラグビートップリーグ
サントリーサンゴリアス VS 東芝府中ブレイブルーパス(10-50)


試合内容が得点差に現れていたと思う.どうしちゃったんだサントリー?といい たくなってしまうぐらい出来が悪かった.アタックではボールを止まってもらう, また球出しに人数がかかりすぎているのか,攻めれば攻めるだけ人数が少なくな る.結局,キックするしかない.対象的に東芝のアタックはスピードにのってリ ズムがあった.ディフェンスでもFWが確実にバックスラインの間にはいり,1人 を2人がかりで止めていた.あとは何といっても”かならず勝ってやる!”とい う気迫の差か?いずれにせよ,東芝のプレーには素直に拍手を贈りたい.
2004年2月8日 秩父宮ラグビー場
マイクロソフトカップ 1回戦
ヤマハ発動機(愛称: ジュビロ) VS 東芝府中ブレイブルーパス(10-39)


この試合を一言で言うならば,攻める東芝,守るヤマハといった展開.東芝のア タックは素晴らしい.ボールをもらう瞬間のスピード,FWのフォローの早さ,球 出しにそれほど人数をかけず,あまった選手が常に次のポイントに行く集散の早 さとスピーディーな展開だった.対するヤマハはトップリーグでは唯一,1敗だっ たのだボーナスポイントをあげられず3位にとどまったが,そのディフェンスの 良さを発揮.東芝がBKに1人あまる場面をしばし作られトライかを思われたが, タッチラインをうまく生かし,東芝ゴールにラインを割らせない.3-5で終ると 思われた前半終了間際に東芝キックをキャッチした村田からのカウンターで一気 にトライへ.前半を10-5とリードして折り返す.これで波に乗れるかと思ったが ,後半に入り東芝の怒涛の攻撃にたまらずトライを許す.ヤマハはほとんど攻撃 の機会が無く,数少ないカウンターも2次3次でミスやターンオーバーで攻撃権を 失った.ヤマハは日本選手権に向けてアタックの精度上げることが課題であろう. 特に球出しがもうワンテンポ早くなれば良くなるのではないだろうか.東芝ははっ きりいって強い.あのアタックは魅力である.これから準決勝,決勝.さらには 日本選手権とどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみなチームである.
2004年2月21日 秩父宮ラグビー場
第41回 日本選手権大会 3回戦
豊田自動織機 VS 日本IBM(14-50)


前半はIBMが攻め,豊田が守るという展開.IBMはLOの外国人選手が突破役となり 豊田DFを切り崩しにかかるが豊田は前半は良く守っている.一方豊田の攻撃だが, 1次からワイドにWTBまでまわそうとするが結局外でつかまりターンオーバーやタ ッチでだされる.少し縦も絡めて攻めたほうが有効にも思えたのだが.後半なっ てIBMの攻撃が機能しだし次々に豊田ゴールを割る.豊田もアタック機会はあるも のの強引な突破や,最後の詰めの甘さが目立ちIBMのDFを割ることはできなかった. 豊田は個々にいい選手は多いと思うので,もう少しつなぐ意識,攻撃のパターン を増やすと来期のトップリーグ昇格も十分あると思う.一歩IBMもいい攻めをする のだが,現状ではもうワンランク上のチームに勝つのは厳しいかと思う.ただ来年 度はトップリーグでの経験をつんでもうワンランク上のチームに化けることを期待.
2004年2月21日 秩父宮ラグビー場
第41回 日本選手権大会 3回戦
釜石シーウェーブス VS 関東学院大学(13-14)


個々の実力をとるとやはり社会人である釜石が一歩上か.ただし,攻めの精度が 悪すぎた.パスするとこでパスができない,ポイントを作るところで作れない. その状況判断の悪さがかなり出ていたと思う.前半だけでも,パスしてればトラ イという場面が何度もあったがつかまってトライに結びつかず.後半にはいると やはり体力差がでてきたのか関東学大に攻められる機会がしばしば.結局前半で 突き離すすことができなかったのが響いて,ロスタイムでの劇的な逆転負け.気 迫は学生の関東学大より感じられるプレーは随所にみせていただけに残念な結果 である.一方,関東学大はさすがといったところであるが,大学選手権ほどの気 迫はなじられずいまいち気持ちが入ってないように感じられた.観戦した席が関 東学大の部員席の近くだったのが彼らも何故か釜石を応援していた.どうやら試 合のやる気のなさ,またこの時期に試合させられる日程の厳しさに関する批判の ように感じられた.学生が社会人に挑戦する.すべてのチームが日本一を狙える 大会の意義は認める.だが現在の日本選手権のあり方はもう少し考慮の余地があ るのではないであろうか?
2004年2月22日 国立霞ヶ丘競技場
マイクロソフトカップ 決勝
NECグリーンロケッツ VS 東芝府中ブレイブルーパス(24-19)


ラグビー観戦にはもってこいの晴天.またそれに答えるかのような見ごたえのあ る試合だった.前半はNECの一歩的な展開となった.というのもグランド上はかな りの強風で風上のNECはキックを有効に利用し,No8箕内を中心にスピードある縦 突破でゲインしトライに結びつけた.守っても前に出るDFで東芝の攻撃をまった く機能させなかった.東芝のDFもかなり良く守っているとは思うが,強風とNECの アタック力に前半終了間際に1トライ返すのにとどまった.後半に入ると前半と展 開が逆転し,終始東芝の攻撃となった.風上にたった優位とエンジンがかかって きた東芝FWのモール攻撃で徐々に点差をつめていった.リズムの乗った東芝の攻 撃はなかなか見ごたえがあった.FWのポイントに入るスピードやタイミングが抜 群なのだが,若干人がかかりすぎの感があった.結局前半のロードを守りきった NECが初の栄冠を手にすることになった.両チームともに基本はしっかりしていい て見ていて本当に面白い試合だった.なんといってもスピードが良かった.ボール をもらう瞬間,ポイントに入る瞬間,DFラインの上がり,タックルとすべて教科 書とおりお手本となるよう試合ではなかっただろうか?マイクロソフトカップは これで終わったがまだ日本選手権がある.NECは後半無得点というところは気にな るところ.確かに風下であったが1トライもしくは1PGでもほしかったところだとる. 東芝に関して実力に関しては申し分ないとおもう.ただ,あえて言うなら,アタ ックの際,FWがポイントに入りすぎてしまった場合の展開とそうしないための戦 略.そこさえクリアできれば日本選手権を十分とれると思う.NEC,東芝ともにす ばらしいチームなので日本選手権での両チームの活躍が楽しみである.
2004年3月13日 秩父宮ラグビー場
第41回 日本選手権大会 準決勝
ヤマハ発動機(愛称: ジュビロ) VS 東芝府中ブレイブルーパス(12-33)


MSCで1回戦との西線となった.前回敗れたヤマハが課題のアタックをどれだけ 修正できてるかがポイントとなる.しかし,この短い期間で課題を克服するこ とは難しかったようだ.アタックは相変わらずちぐはぐ.BKは抜きにかかるが FWが間に合わない,早いポイントで勝負に行く,FWも個々で出てしまう,など 次の展開をあまり意識しないでその場その場でプレーをしている感がある.ま た,うまく行かないのでペネトレーターが無理に一人で行くなどDFの良さと対 照的に悪さを露呈していた.結果,反則やターンオーバーで相手の攻撃権を譲っ てしまう.またラインアウトの精度の悪さも問題であっただろう.折角のマイ ボールのセットプレーなのだがノットストレートが多すぎた.東芝府中はFWの 強さ特にモールの強さを前面に押し出した.FWの大野をWTBで起用すなど”9人 FW”の形の試合展開で自身の得な部分を存分の発揮できる采配もきいていただ ろう.正直今年の東芝は本当に強い.トップリーグ,MSCと2位ホルダーの汚名 を返上するためにもなんとしても日本選手権は獲っておきたいところ.神戸製 鋼との決勝は見ごたえのある試合になるだろう.
2004年3月21日 秩父宮ラグビー場
第41回 日本選手権大会 決勝
神戸製鋼コベルコスティーラーズ VS 東芝府中ブレイブルーパス(10-22)


結果は予想通り東芝の勝利に終わった.しかし試合内容は正直今一.神戸はノッ クオン等の単純ミスが多すぎ.ラインにまわしてもゲインできないし結局SOミ ラーがただキックするだけ.一方東芝はやはりFWを前面にだして勝負.アタッ クの際はNo8のバツベイをBKに入れ,とりあえず縦に突っ込ませる.WTBに大野 を起用しているの完全に9人FW状態.ただやはりアタックのスピードはすばら しかった.観戦はしていないが準決勝の神戸vsNECがすばらしい試合だったと いうだけに,決勝の神戸のできにはかなり不満が残る形となった.なにはとも あれ東芝府中は今シーズンを締めくくる日本選手権の王者にふさわしいチーム だったのではないだろうか.