2001年度 観戦記

月日 曜日 キックオフ   対戦カード グラウンド
6月13日 19:00 ウェールズ代表来日シリーズ '01 パシフィックバーバリアンズ 36-16 ウェールズ代表 東京スタジアム
6月17日 14:00 ウェールズ代表来日シリーズ '01 日本代表 30-53 ウェールズ代表 秩父宮ラグビー場
6月30日 19:00 KANAGAWA RUGBY 21 関東学院大学 57-5 早稲田大学 三ッ沢公園球技場
7月4日 17:00 パシフィックリムチャンピオンシップ2001 準決勝 カナダ代表 23-52 フィジー代表 東京スタジアム
19:00 日本代表 8-47 サモア代表
11月23日 祝金 14:00 関東大学 対抗戦A 早稲田大学 54-21 慶応義塾大学 秩父宮ラグビー場
11月25日 12:15 国際親善試合 U19日本代表 5-77 オーストラリア高校代表 秩父宮ラグビー場
14:00 関東大学 リーグ戦1部 関東学院大学 32-15 法政大学



2001年 6月13日 東京スタジアム
ウェールズ代表来日シリーズ '01
パシフィックバーバリアンズ VS ウェールズ代表 (36-16)


個々の強さ,スキルともに Pバーバリアンズの方が一枚も二枚も上手だった.そ れも,そのはず, Pバーバリアンズはそのほとんどを,在日の元オールブラック スの選手で固め,また2人NZから選手を招待している.一方,ウェールズは来日 しているメンバー自体が1.5本目という若手主体のメンバー.さらに,17日に行 われる日本代表とのテストマッチに備えて,その中でも若手で挑んだ試合だった. さて試合であるが, PバーバリアンズはCTBあたりで縦に入り,それをFWが拾っ て縦々に行きDF崩してトライという形だった.Pバーバリアンズが先制をし,一 方的になるかと思われたが,ウェールズもPGで食いついて行く.前半なんとか 1トライをあげ17-16の一点差で折り返し,なんとか後半に望みをつなぐ.後半に なると,Pバーバリアンズの一方的なペースに.BKが縦に入った所をFWが拾って 縦々へ行きウェールズDFを崩して行った.個々のパワーで完全にウェールズが負 けていたのでDFは一人では止め切ることができず,2, 3人かかりでやっと止める ような形だった.また,ウェールズはPGの仕掛けや,ポイントからの球出しが遅 くテンポの悪い流れであった.後半は無得点であった.正直,今遠征のウェール ズの試合を見たのは,初めてであったが正直かなり今一だった.相手が元 & 現 役のオールブラックスで固めていたとはいえ,ここまで手が出ないとは思ってい なかった.第3戦のテストマッチのようにもうすこし噴気することを望む.また 逆に日本代表は第3戦で大敗したとはいえ,まだまだ着けいるチャンスはあると 思う. Pバーバリアンズのように個々のパワーで上回ることはできないが,PGの 仕掛け,ポイントの球出しの早さとテンポの良さですなわち,各局面,局面での スピードで勝負すれば勝気は必ずあるはず.17日はウェールズ代表と日本代表と もに噴気し素晴らしい試合を期待する.
2001年 6月17日 秩父宮ラグビー場
ウェールズ代表来日シリーズ '01
日本代表 VS ウェールズ代表(30-53)


やはり,ウェールズには勝てなかった.先制したのは日本代表.PGでまずは3点. その後はウェールズの攻撃をとめられず,気が着いたら3本とられ,3-19に.こ のまま,10日の試合と同じような展開になるかと思いきや,30分過ぎにのPから 村田が早い仕掛けでゴール前まで攻める.それをフォローした,FWが縦々といっ てトライゴールも決まり10-19.この村田の仕掛けは早かった,レフリーの笛が 鳴ったと同時位にちょんげりから前へ.やはりJAPANにはこういう仕掛けの早 さで勝負するべきだろう.話しを戻して,そのすぐ後今度はBK攻撃でCTB付近に No8が縦に敗って相手を崩し,すぐにまた順目に回してFBイン.これがまた綺麗 にきまりウェールズBKの裏へでてそれをフォローした増保がトライ.素晴らしい トライだった.ゴールも成功し,17-19.栗原のキックも冴えていた.前半終了 直前にはPGを成功させ,なんと逆点.前半を20-19とリードして折り返す.後半 は開始すぐに左隅にトライを決められる.しかし,その直後JAPANもPGで3点をか えし,23-24と食らいついて行く.こういうのは大切だろう,無理にトライをと りに行くのではなく,点差を離されないようにPGででもこつこつ取って行く.こ こまではいい感じで試合を勧めており,歴史的勝利もまだ手の届くところにあっ た.しかし,世の中そんなに甘くはなかった.その10分弱御,トライを取られ, その直後,KOからノーホイッスルトライ.その次のKOも前のプレイをビデオで見 てるような形でまた取られる.3連続トライを奪われる.あっという間に23-41. JAPANはここで切れてしまったようだ.JAPANもこの後一志報いるが結局は30-53 の大差で破れる.後半のウェールズの攻めは,決まっていて,まずFWでポイント をつくって,縦々と来てJAPANのFWを集めて,外のDFを減らしてからBKへ展開し 外勝負.同じことを繰り返しているのだが,JAPANは修正できなかった.密集に FWが集まりすぎる弱点を完全について来られた.だがしかし,JAPANの良いとこ ろもでた筈だ少なくとも3本のトライは良い感じでとれたと思う.まだまだチー ムとしてフィットしていない感は否めないが,これからパシフィックリムに向け て大きく羽ばたいて欲しいものだ.
2001年 6月30日 三ッ沢公園球技場
KANAGAWA RUGBY 21
関東学院大学 VS 早稲田大学 (57-5)


関東学大の方が完全に上手だった.局面局面で一歩勝ってるその積み重ねでこの 点差になったような感じだ.意志統一がしっかりできていたように感じる.早大 は逆に一歩負けている.また,詰めがあまく,ミスも多かった.ただ,点差ほど 実力差を感じなかった.秋に向けて意志統一がしっかりできて,細かいミスを無 くして行けば結構いけるのではないだろうか.早大は昨年FBだった,太田尾が SOに入っていたが彼の動きはかなり良く,秋が楽しみだ.あとは右FLもなかなか 良かった.関東学大は突出した選手がいるわけではないが,個々がしっかり自分 の仕事ができているので誰かに頼るということもない.このまま順調に行けば今 年も選手権を奪れるのでないだろうか.
2001年 7月4日 東京スタジアム
パシフィックリムチャンピオンシップ2001 準決勝
カナダ代表 VS フィジー代表 (23-52)


実力はフィジーの方が上手だった.ただ,この試合ノックオンやらパスミスが多 すぎた.敵陣に攻め込んではチャンスを潰した.攻撃はFWとCTBの間で縦に入り, 湧き出るようなサポートでさらに縦々といった感じだ.個人の身体能力が高く体 をうまくずらし人と人との間に入って必ずゲインする.また球出しも早くいい感 じで攻めているのだが,いかんせんパスミスが多すぎた.これでもかと言うぐら いミスが多かった.ただ,ぽんぽん球を離すのフィジアンマジックを彷彿させる プレーだった.昔はそれがきっちりつながっていた.だからこそフィジアンマジッ クとも呼ばれていたのだろう.ただ,今の段階では”不用意なパス”にしかなっ ていなかった.一方,いたってオーソドックスなプレーだった.CTBあたりでポ イントを作り,それからDFを見て,サイドもしくは展開.しかし,不思議だった のが,WTBまでボールが回ると勝負しないで必ず裏へキックをあげていた.ポイ ントをつくるなり,勝負するなりは全くしなかった.考えられるのは,フィジー の身体能力の高さから極力コンタクトや密集プレーを避けたかったのかもしれな い.それに,カナダSOのキックは抜群で,PGも確実に決めるし,DGも2本決めちゃ うしね.後半途中までは,フィジーのミスにも救われてなんとか互角に渡りあっ ていたが,結局最後の方になってフィジーがうまく機能するようになって突き放 されてしまった.
2001年 7月4日 東京スタジアム
パシフィックリムチャンピオンシップ2001 準決勝
日本代表 VS サモア代表 (8-47)


強い.その一言につきる.なんと行ってもパワーが圧倒的に違った.それに JAPANがやらなければ行けない早い仕掛けを逆にサモアにやられてしまった.ウェー ルズ戦ではもう少し機能していたNo8の斎藤がCTBあたりで縦に入るというのも全 ゲイン出来ずに止められていた.タックルポイントから半歩も前にでることなく ことごとく止められてしまった.攻めていても,球だしに人数がかかりすぎてまっ たく余らない.前回のW杯の再現を見ているような感じだった.後半途中からは, ばててきていて全く走れなくなっていた.やはり身体能力が圧倒的に違うと,奪 われる体力も相当なものだろう.JAPANもフィットネスは大分あがったとは思う が,世界を闘うためには,まだまだフィットネスをあげなければいけないという ことであろうか.現段階で,フィジーやサモアに勝つことはかなり厳しいとおも う.まずは,カナダ,アメリカには勝てるようになり,韓国には圧倒できる.ま た,フィジー,サモアあたりには失点を30点,トライを2,3本とれるというとこ ろが妥当な目標ではないだろうか.まずは現実的な目標がJAPANには必要なのだ と思う.次のカナダ戦はここまで身体能力の差はないとは思うのでもう少し JAPANのやりたいことは機能してくるだろう.3決定戦での勝利を願う.
2001年 11月23日 秩父宮ラグビー場
関東大学 対抗戦A
早稲田大学 VS 慶応義塾大学 (54-21)


正直,早大が強いというより慶大が弱かったと言う感想だ.しかし,早大のディ フェンスには目を見張るものがあった.早大がディフェンスのときはタックラー が湧き出るようにタックルに行っていた.特に今春にSHからFLにコンバートされ た羽生は豊富な運動力と確実なタックルで確実に慶大アタックを止めていた.し かし,攻守の要であるCTBの山下はディフェンスに関しては今一だった.前に出 ていないので,待ってのタックルになっいる.またアタックに関しても縦に出た ときは,ずば抜けた力を発揮するが,持ちすぎ感が否めない.縦に抜けないとき には横に流れてしまっているので,WTBがパスをもらっても何も出来ない状況に なってしまう場面が多々見られた.多分,自分がという意識が強すぎるのだろう. ということで,CTB山下はチームの中心でありながら実は弱点でもあると言える だろう.選手権に向けてはいろんな意味で彼がKeyになってくると思う.慶大に 関してはもう少し,ディフェンスの精度をあげて行くこと,アタックに関しては 決め手を作ることが課題であると思う.
2001年 11月25日 秩父宮ラグビー場
国際親善試合
U19日本代表 VS オーストラリア高校代表 (5-77)


豪州の強さを見せつけられた試合だった.ただシンプルに身体能力で負けたとい う感じだった.U19JAPANはばらばらでチームとしていまいち機能していないよう だった.PGからの仕掛けも遅いし,いまいち意志統一が出来ていないのであろう. 逆に言うとまだまだ,伸びる可能性のあるチームであるので,第6回U19アジア大 会に向けてこれを反省材料に意志統一されたチームに仕上げて欲しいと思う.
2001年 11月25日 秩父宮ラグビー場
関東大学 リーグ戦1部
関東学院大学 VS 法政大学 (32-15)


やはり関東学大は強かった.昨年の大学選手権決勝を見ているようだった.前半 は法大のスピード感あふれるアタックとまさに刺さるような鋭いタックルで関東 学大に本来のラグビーをさせなかった.しかし,これだけ法大のペースで勧めて いたにもかかわらず,点差はほとんど開かなかった.ここが関東学大の強さであ ろう.後半に入ると,前半の勢いが嘘のように無くなった法大は関東学大にいい ようにやられてしまった.後半に関しては無得点という始末だっった.やはり前 半で息切れしたようだった.選手権に向けては順調に勝ち進めば準決勝でまた関 東学大と当たることになる.それまでに修正ければ行けない課題は,前半のよう なディフェンスを後半までつづけれるスタミナと,ゴール前に攻め込んだ時に確 実に得点できるアタック精度の向上.スタミナに関しては選手権までにあげるの は現実的ではないので,やはりアタック精度の向上していくことが一番の課題に なってくるであろう.しかし,この試合を見る限り,選手権で法大が関東学大に 勝つのはかなり厳しいと思う.逆に,関東学大はこのまま順調に仕上げて行けば 選手権2連覇はすでに手の届く所まで来ているのではないだろうか.ただ,何が 起こるか分からないのが勝負事なので選手権での法大の奮起に期待したい.